今回はマニュアル車の操作をできる限り分かりやすく徹底解説します。
僕は合宿の教習所で鬼教官にあたってしまい、高圧的なのに教え方が下手で苦労した思い出があります。
なので今マニュアル免許を取ろうと苦労している人のためになるべく簡単に解説したいと思います!
マニュアル車は覚えればとても楽しいので今教習で苦労している方やこれからマニュアル免許をとろうとしている方の力に少しでもなれればと思っています。
※ここに書いてあるやり方は教習所方式ではないと思うので教習所では教官の言うとおりの方法でやるようにしましょう。
目次
シフトの位置を理解する
まずはエンジンが切れてる状態でクラッチを切って1速から4速までシフトチェンジの練習をしてみましょう。
これを見ないでも出来るように練習します。
(右ハンドルの場合)
1速から2速へは手のひらを外側へ向けてシフトノブを左に押したまま下へ下げます。
2速から3速へは手の付け根でシフトノブを下から上へ上げていくだけで入ります(横への力はかけません)
2速を下から押してニュートラルに抜いてそのまま上に押し上げるという操作になります。
個人的には2速から3速のシフトチェンジの上にずらすだけですっと入る感じが好きです。
3速から4速へは3速から指でシフトノブの前側を下へちょんと押してニュートラルに抜いてそのまま下へ入れます。
5速はシフトノブの左側をこちら側に押して上に入れるのですがエンジンが停止している状態だと入らないかもしれません。
右手だけで運転する練習をする
マニュアル車の何が難しいかと言うとギアを変える時に初心者なのに「左手ではシフト操作をする」「右手ではハンドル操作をする」の両方をやらなければいけない瞬間があるからだと思います。
なので「左手の操作」と「右手の操作」をそれぞれ練習すれば心に余裕が生まれます。
なので左手でのシフト操作の練習が終わったら右手だけでハンドル操作して運転を練習をします。
そもそも教習所では「左手をシフトノブに置いたままにするな」と教わると思います。
これはまあそうなんですが、一端おいといて右手だけのハンドル操作を練習します。
これだけやるだけでもギアチェンジにかなり自信が持てると思います。
既にオートマ免許を持っていてこれから限定解除する方の場合は、普段のハンドル操作を右手だけで練習するのが効果的な練習です。
半クラの位置を理解する
半クラの位置は車によって違うので車ごとの半クラの位置を理解しましょう。
半クラが奥にある車もありますし、かなり手前にまでいかないと半クラにならない車もあります。
車ごとの半クラの位置は「前進」と「後退」を何回か繰り返すとどこで動力に「ヒット」するかがわかると思うので何回か前進と後退を繰り返して半クラになる位置を探りましょう。
発進、巡航、停車の繰り返し
MT車の運転というととても難しそうなイメージがあるのですが実はとてもシンプルで「発進の作業」と「巡航中の作業」と「停車の作業」の繰り返しだけなんです。
なんでこんな簡単な事を教えてるだけなのに威張ってる教官がいるのが不思議なくらいです。
おそらくわざと複雑そうにして威張りたいだけなんだと思います。
教習所だと「発進」から始まると思うのですが「発進」でいきなりわけわかんなくなっちゃったりします。ぶっちゃけ発進なんか適当でよくて、そのあとの「巡航」と「停車」ができないとテンパってしまい、後続車に迷惑をかけてしまいます。
なのでこの記事では「巡航」、「停車」から説明します。
巡航
巡航中は至ってシンプルで「車がうなり出したらシフトを上げる」です。
イメージで言うと「ウーーン(シフトアップ)、ウーーーン(シフトアップ)、ウーーーーン(シフトアップ)」みたいな感じです。
車がうなり出したらシフトアップです。
1速から2速へは車が動き出したらすぐにシフトアップします。
低速ギア程ギアの差が大きいのでシフトアップのショックが大きいです。なので早めにシフトアップしてしまいます。
その時にもなるべくショックをなくすためには1速から2速へは少し半クラをします。
ここで覚えておいて欲しい言葉があります。
「1速で走る事はない」
です。1速のまま走る事はないですし、巡航中に1速にシフトダウンする事はありません(そもそもギアが入らないです、入っても急激なエンジンブレーキがかかってあぶないです)
1速ですとアクセルをマックスで踏んでも30kmぐらいしか出ません。すごい唸り音で30kmで走るイメージです。
2速以降のシフトチェンジは半クラなしでスパッとつないでもショックは少ないです。
それでもなるべくショックを出さないためには「少し半クラ」します。
街乗りでの巡航は大体3速(細い道や人通りが多い道など)か4速(スピードが出てもいい道)です。(5MTの場合)
5速は入れてもいいんですがスピードがかなり出てないと逆に4速の方が速いです。それほど重いギアという事です。
街乗りの平坦な道の場合シフトダウンに関してはほぼやらなくていいです。
シフトダウンする場面は「カーブの後に加速したい」時と「上り坂の前」です。
何速にシフトダウンするかですが、「カーブの前」の場合、3速に落としてそのまま行ける場合はそのまま3速で。
90度以上のカーブの場合は3速でカーブに進入してカーブの途中でクラッチを切って2速にして半クラでゆっくりつないで曲がったあとに加速するというようなイメージです。
あとマニュアル車の運転で心配なのが運転途中でエンストしたらどうしよう?というのがあると思うのですが巡航中にエンストする事はまずありません。なので巡航中のエンストの心配はしなくていいです。(急な上り坂で急なカーブで4速とかで止まりそうなくらい遅く走ってるとかならエンストする可能性はありますがそれくらいです。)
エンストが発生するのは発進の時のみです。
停車
前が赤信号や一時停止などで止まるときは何速で走っててもいいんですがブレーキをかけていってある程度まできたらクラッチを切ってギアをニュートラルに抜きます。あとはブレーキで止まる位置をコントロールするだけです。
やってみるとわかるのですが4速とかで走っててもブレーキを踏みきってほんとに止まるってなる時まではクラッチをつないでいてもエンストしないでAT車の「クリープ現象」のようにトコトコ走ってくれます。なので停車する時もエンストは心配しなくていいです。
あと初心者でよくわからないと思うのは交差点で止まりそうだけどもしかしたらそのまま進む可能性もある時だと思うのですがその場合は
まず停止する時と同じようにブレーキをかけていってある程度まで(前の車に近づいたら)きたらクラッチを切ります。
そのまま進む場合はシフトを2速に入れて半クラして発進すればいいですし、止まる場合はそのまま止まって1速に入れて普通に発進すればいいです。
発進
発進に関しては教習書どおりです。
1速に入れて半クラにして進み始めたらすぐ2速にして後は巡航と同じです。
1速で半クラ状態で進み始めたらつなぎきらなくても半クラ状態からクラッチを切って2速に入れてもいいです。
あと下り坂から発進する時は下りの推進力があるので最初から2速に入れて発進してもいいです。
あとはエンストが発生するのはほぼ発進時なんですがこれは低速(1速、2速)でのギアチェンジをする時に「半クラ」をしばらくやることによって防げます。低速ギアほど丁寧に動力をつないであげるという事です。
慣れてくればどれくらい半クラすればいいのかがわかってくると思うので、そうしたら半クラ時間を短くスムーズに動力をつなぐことができるようになります。
その他のシチュエーション
坂道発進
坂道発進はまずは停止の方法で停止してサイドブレーキをかけてブレーキを離して後ろに下がらないかを確認します。
もし下がるならまたブレーキを踏んでさっきよりもサイドブレーキを強く引き上げます。
ブレーキから足を離しても下がらないようになったら1速から発進します。1速にして半クラにすると車がククッと前にいこうとするのでその状態をキープしながらサイドブレーキを下げると発進します。あとは平坦な道と同じです。
サイドブレーキを下げる時は一度引き上げないと下がらないので注意です。
下り坂
下り坂は基本的には何のペダルも踏まずに下りの推進力だけで下ります。この時クラッチは必ずつないだままです!
そうすれば各ギアごとのレンジで「エンジンブレーキ」というものが効きながらトコトコと下っていってくれます。
エンジンブレーキは低速ギアほど強くかかります。
あとのスピードはブレーキでコントロールします。
エンジンブレーキが効きすぎて遅いと感じる時はシフトアップします。
止まる場面になったら平坦な道と同じ方法で止まります。
発進する時は下りの推進力があるので2速発進でもいいかもしれません。
ギアは基本的には街乗りの巡航ギアである3速とか4速でいいと思います。
高速道路
高速道路に乗るときは加速車線でスピードを一気にあげていかないといけないので「ギアをひっぱる」ということをします。
低速ギア程加速がいいので街乗りよりも低速ギアの時間を長くしてエンジン回転数を一気にあげて一気に加速し、ギアチェンジをしていきます。
高速道路のギアですが80km~100kmは出すと思うので4速、5速でいいとおもいます。(5MTの場合)
出口ではシフトダウンを行います。
5速→4速→3速ぐらいです。
駐車場内
駐車場に入るときは発券所で一度停止すると思うのでその後はそのままずっと1速でいいと思います。
駐車場内はずっと徐行なので。
シフトダウンする場面
シフトダウンする場面は主に
・カーブの手前
・上り坂の前
・前がかなりつまってそうな時
・高速道路の出口
ぐらいです。
シフトダウンする時はエンジンの回転数とギアが合わない事による「変速ショック」が起こります。
これを低減させるには「半クラ」を使います。
シフトダウンに半クラを使用することによって変速ショックを低減できます。(ただギアを下げた事によるエンジンブレーキによるスピード差のショックは必ず起こります。)
シフトダウン時に車の速度と今のギアの回転数と下げるギアでの回転数を回転数を上げて合わせる事によって変速ショックをなくす方法(ブリッピングといいます)もあるのですが、結局半クラも使うと思うので「半クラシフトダウン」でいいと思います。
ギアは低いギア程「パワーがあり、エンジンブレーキも強い」特徴があるので上り坂でパワーが足りないと思った時はシフトダウンするとすいすい登ります。
これはAT車でも同じで上り坂でパワーが足りないと感じたときは「2」レンジにするとすいすい登ります。
まとめ
ずっとAT車を運転してると馴れてきて運転中に「手持ちぶさた」になってきます。確かにAT車は自動で変速してくれて便利なんですが、AT車の運転はイメージで言うと「移動」という感じです。
MT車はこの「手持ちぶさた」を解消してくれます。MT車の運転はまさに「車の運転」というイメージで運転がもっと楽しくなりますのでAT車に飽きてきた人はMT車に挑戦してみてはいかがでしょうか。