今回は営業で使える心理学第5回として「イエス誘導話法」を紹介します。
目次
イエス誘導話法とは
イエス誘導話法とは相手が「はい」と答えやすい質問を繰り返す事で相手が「はい」と答えやすい心理状態になる事を使った心理テクニックです。
例
例えばウォーターサーバーの営業の場面で
営業マン「普段水道水をつかわれてますよね?」
客「はい。」
営業マン「普段使っている水道水ってほんとに安全なのかな?って少しは疑問に思いますよね?」
客「そういえば少しは気になりますね」
営業マン「実は水道水にはカクカクシカジカでして、その点弊社の水はカクカクシカジカでとても安全なんです。こちらサンプルですのでちょっと飲んでみてください。」
客「はい。・・・たしかにおいしい気がします。」
営業マン「でしょう!実は今の期間限定で1ヶ月分の使用料無料なのでこのままおいていきますので1ヶ月使ってみてください。1ヶ月したら取りに来ます!」
・・・といった具合に相手が「イエス」と答える質問を投げかけていき、営業を進めていきます。
これにより相手が「同意しやすい」心理状態になるのです。
なぜイエスと答えやすくなるのか?
なぜイエスと答えているうちにイエスと答えやすくなってしまうのか?
これは「心の構え」、いわゆるメンタルセットが「イエス」と答えているうちに「イエス」と答える事に抵抗感がなくなり、いちいち確認する感覚が麻痺してしまうのです。
イエス誘導話法を成功させるポイント
あたり前のなげかけをする
最初は必ず相手がイエスと答える質問をするようにする。
例えば今日はすごいいい天気だとしたら「こんにちは、今日はすごくいい天気ですね」
と天気の話題などあたり前のなげかけをする。これに「そうでもないですよ」とは普通の人は答えないのです。
相手がそう思っていそうなことをあえて聞く
相手が必ずそう思っていそうなことをあえて聞いてしまう、
例えば
「もっと楽したいと思いませんか?」
「手間が省けたらいいと思いませんか?」
「とても簡単でしょ?」
などです。さらに営業話が進んだ場面では先にデメリットだと思う場所をこちらから聞いてしまうというテクニックもあります。
「少し高いな?と思いますか?」
「他のサービスとどこが違うの?とお思いですか?」
などです。このパターンの場合にはそのデメリットを解消するポイントをあらかじめ用意しておく必要があります。
「すべてあわせたトータルで考えるととても安くなります」
「たしかにこことここのポイントはデメリットとしてあると思いますがこことここのポイントに関しては業界でトップクラスです。」
など最初に「マイナス」を提示してあとから「プラス」に転換する必要があります。
このフェーズあたりから最初の当たり障りのないイエスをもらう質問から核心である販売する商品の質問に切り替えていきます。
こちらのセールスポイントと相手の問題解決の一致点に注目させる質問に切り替える
最終段階としては上記にも書きましたが「こちらのセールスポイント」と「相手の問題解決」の一致点に注目させる質問に切り替えていきます。
例えば上記にもありますように
「もっと楽したいと思いませんか?」
「手間が省けたらいいと思いませんか?」
のような「相手の不便に思っていそうな事」と「こちらの売りたい商品のセールスポイント」が一致する質問をイエスと答えやすい形式でするのです。
イエス誘導話法の注意点
イエス誘導話法の注意点としては相手にイエスと答えさせるとイエスと答えやすいメンタルセットになるのですが、その逆もまたしかりで相手が「ノー」と答えると「ノー」と答えやすいメンタルセットになってしまうのです。
なので質問の形式には気を付けるようにしましょう。
参考図書
おわりに
今回は営業で使える心理学第5回目として「イエス誘導話法」を紹介しました。
営業時にはとにかく相手に「イエス」と答えるなげかけを行うことを意識するだけでもかなり効果があると思いますのでぜひ意識して練習してみてください。
また、小さな承諾をもらう事から要求を大きくしていく「フットインザドアテクニック」と併用することによってさらに効果的に営業を行うことができます。